| 自動車のエンジンオイル交換を自分でやろうと考えたことありませんか? 自動車メーカーは製造した車のエンジンに対して使用するオイルを規格に従って指示しています。ユーザーは、指示された規格に合ったオイルを選ん
 で使用します。でも、 表示されている記号の意味、解りますか?
 そこで今回はオイル品質表示のお話です。
 
 
  
  日本のオイルはJIS(日本工業規格)によって性能テスト方法や種類が規定せれていますが自動車用オイルにとっては今では実用性を失っています。JASO(自動車技術者協会規格)もありますがこれも一般的ではありません。では、取扱説明書にある5W−30/SL・CDなどと指示してい
 るのはいったい何なのでしょうか?実は、日本のエンジンオイルの規格はアメリカの規格を採用して表示しているのが一般的なのです。 この規格はA
 PI(米国石油協会)とILSAC(日米自動車工業会)によって定めららたものです。ヨーロッパ規格のACEAなどもありますがヨーロッパ車のオーナー
 以外の人は見る機会もないと思います。表示されているオイルの規格は通常2つの性能を表しています。API規格では温度変化によるオイルの粘
 度変化を指数で表したのが5W−30でオイル性能をグレードとして表したのがSL・CDになります。
 ※粘度変化とは液体は温度が低くなると硬くなり高くなると軟わらかくなる特性がありますがオイルも当然、同じ特性を持っています。この変化で自動車は真冬にオ
 イルが硬くなってオイルがポンプで吸えなくなってオイル切れしたり、高速高負時にオイルが水のようにさらさらになってオイル切れを起こすことになりま
 す。こんな事にならなような温度変化による影響が少ないオイルが、安定した良いオイルになります。
  オイルの粘りを表す 
 ◇◆表示◆◇SAE"30""10W−30""5W−40"など 
  SAEは米国自動車技術者協会が定めた粘度分類で数字が小さいほど軟らかく、大きいほど硬いことを示し、また使用されている"数字"は使用SAE 60   酷暑期やモータースポーツなどの範囲も表します。 温度変化による粘度変化の少ないもののほうが好ましくこれを数値で表したのが粘度指数で、粘度指数が高いオイルは温度変
 化による粘度変化が少なくなります。
 50       〃
 40   高速運転または高温用
 30       〃
 20   常温における常温運転SAE粘度分類に使用されている"W"はウィンター(冬季使用)を表し使用最低温度は次のようになりま
 す。
 
 SAE 0W  −35℃
 5W  −30℃
 10W  −25℃
 15W  −20℃
 20W  −15℃
 25W  −10℃
 
 SAE粘度分類に使用されている"−"はマルチグレードを表しています。SAE10W−30は冬季(始動性)はSAE10Wの性能で高温時でもSAE30の性能を持つことになります。
 "SAE30"などの表示がしてある場合はシングルグレードと呼ばれ季節(外気温)ごとの交換が必要になりますが今では見かけなくなりました。現在
 では環境対策、燃費対策、エンジンの始動性から「5W−20」のような低粘度オイルの使用が求められてきました。
 ※95年12月には新しく粘度分類SAE・J−300によって調合されたオイルが出ています。同一粘度の表示でも40℃の粘度が低下しているが1
 00℃以上の粘度は従来品より高くなっています。
 
          
            
              |  | 品質の規格を表します |  |  
  初めて決めたのがAPI(アメリカ石油協会)だったのでAPI分類などと呼ばれていますがその後SAEやASTM(アメリカ材料試験協会)などが一緒になって現在の規格ができあがり、SAEで試験方法が決められています。
 一般的に、グレードと呼んでいるものです。 ◇◆表示◆◇【SL】・【CD】・【SL・CF】など 
  最初のSJはガソリンエンジンに使用し現在ではSA〜SLまでのグレードで、SLが今の所最高になります。一般的な乗用車は最低でもSE以上を使用していましたが今ではそれ以上を指定している車がほとんどになりました。CDはディーゼルエンジンに使用します現在はCA〜CF−4までのグレ
 ードがありガソリンエンジンと同じで、CF−4が最高になります。SL・CFのように並んだ表示はガソリンエンジンとディーゼルエンジン兼用オイルです。
 ◇◆試験項目◆◇☆洗浄分散性 ☆酸化安定性
 ☆ベアリングの腐蝕安定性、防錆性
 ☆対磨耗性
 
 過酷な状態にどれだけ耐えられるかでグレードが決まります。エンジンが高性能、高回転化するとともに、オイルのグレードも上昇します。 
          
            
              |  | 環境対策に対応した規格 |  |   ILSAC(国際潤滑油標準化委員会)は米国自動車工業会と日本自動車工業会で組織した委員会で同委員会で制定したのがILSAC規格です。日米自動車メーカー主導で作ったオイルの規格です。API(アメリカ石油協会)のSL規格で承認され更に省エネルギー性、大気汚染防止な
 どの環境対応を重視した求項目が加わった規格になります。5W-20、5W-30、などのオイル粘度が主流になります。
 現在のILSAC最高規格は「GF-3」で、これを取得するには、新油時の性能だけでなく使用油の燃費テストが必要で、省燃費性能は初期性能と耐久性能を要求される厳しい規格で摩擦低減剤を配合して省燃費性能の特性を高めたり、オイルの蒸発量の低減、耐磨耗性、酸化安定性が
 向上させています。
  オイルの性能表示はオイル選びの基本になります。通常は車のエンジンルームにプレート表示されていたり取扱説明書に載っていますので確認してまた、「第1・3土曜日にはオイル交換の日」としてお客さまサービスを致しておりますのでお気軽にお立寄りください。みてください。まずはこの性能表示に添ったエンジンオイルを選びます。これだけで決まらないのが「オイル選び」です。メーカーで決めてませんか?、値
 段で決めてませんか?、そもそもオイルっていつ替えたらいいの? など、悩みは尽きませんね。今後は、環境に対する関心からIASAC規格がいっそ
 う注目せれてくると思います。GF−3の性能に省燃費性能の強化や耐触媒被毒性能の向上(オイル中のリンと硫黄含有量の軽減)させた新規格
 GF−4も「12末」導入されそうですし、ディーゼルオイルの日本独自の規格「DH−2」オイルも登場しています。当社でもより良い商品をリーズナブ
 ルに提供できるよう努力していきますのでご意見・ご感想をお寄せ下さい。
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